Monthly INTERVIEW トップランナーに迫る

ニコライ・バーグマン、北欧と和を融合するフラワーアーティスト。

北欧のセンスで生み出される、やわらかく美しい花の世界。デンマーク出身のニコライ・バーグマンは、ボックスフラワーを初めとするフラワーアレンジメントや、ニコライカラーと呼ばれるブーケ、そして花による空間構成などフラワーアレンジメントで高い評判を得ている、多才の人だ。

ニコライ・バーグマン

フラワーアーティスト。1976年デンマーク生まれ。デンマークで花や園芸の学校で学んだ後、父の仕事の縁で来日。東京都内の園芸店やフラワーショップで活動をはじめ、2003年フラワーショップ「ニコライ・バーグマン・フラワーズ&デザイン」を立ち上げ、現在は東京の六本木ヒルズや有楽町、新宿に3店を展開。また、東京ミッドタウンに自身がセレクト・プロデュースする「ニコライ バーグマン スム」をかまえる。2008年には表参道ヒルズで来日10周年の記念展示会を開いた。

和の美意識と日本人の精神性を学び、開いた才能

−日本を拠点にするようになったいきさつを教えてください。

ニコライ・バーグマン

父が園芸植物の卸業者をしている縁で日本の輸入業者を訪ねて、1999年、デンマークから日本に来ました。そのまま日本の花屋さんで働くことになり、それからです。

−約10年間、日本にいらして、何を得たのでしょうか。

ニコライ・バーグマン

大きく2つのことを学びましたね。1つはコツコツとがんばる姿勢ですね。最初は普通の花屋さんで、他の日本人スタッフと同じように、新人として仕事を始めました。日本はなんでも最初が厳しい。朝早くから休みもなく、労働時間も長い。けれども今となっては、仕事に集中する日本人のワーキングスタイルは、今の自分の基礎となっています。

−海外からのスタッフという特別扱いはなく、下積みから努力されたのですね。

ニコライ・バーグマン

そうです。だから今でもがんばれるし、夢じゃないかと思ったことも、コツコツ続けていけば実現する。それが今のニコライ・バーグマンにつながりました。今でも「がまんする」という言葉をよく使いますが、つらいことではなく、夢につながる努力を表す言葉だと思っています。

−もう1つ、学ばれたことは何でしょうか?

ニコライ・バーグマン

日本的な花の考えです。その象徴が枝もの。動きと流れがあり、空間をつくりだす。花を見せるために枝の流れを見せる、といった発想は、日本から学んだものです。修業時代は花を使わず、枝や葉だけで形を作る練習もしました。そして色。日本の美術や工芸の色合わせは渋い。ヨーロッパでは全く逆で、枝ものをフラワーアレンジのメインに使う習慣はないし、絵画や工芸でも数百年前から派手な色が多かった。日本の美意識は私の花のスタイルに大きく影響しました。

−ニコライカラーといわれる、独特の色合わせにつながるのですね。

ニコライ・バーグマン

私のスタイルは和と洋の融合ですが、単純に見た目だけではなく、こういった経験から得た、削ぎ落としや渋い色合いといった日本の美意識、そして忍耐や調和といった日本人的な精神性を含んで表現されるのです。

−日本の花では何がお好きですか。

ニコライ・バーグマン

しだれ桜です。四季を通して美しいのが、好きな理由です。咲いた時の吹雪のような美しさ、細い葉をつけてしなやかに風にそよぐ。そして葉が落ちて、冬の空気の中、枝の流れだけがつくりあげる枯れた空間。その変化が素晴らしいです。