Monthly INTERVIEW トップランナーに迫る

ニコライ・バーグマン、北欧と和を融合するフラワーアーティスト。

ぱっと感じて細部を味わうニコライワールド

−ブーケやアレンジをつくるときに大切にしていることは何でしょうか?

ニコライ・バーグマン

まずは「カラートーン」ですね。最近、人気なのは「大人ピンク」のトーン。ケミカルな強いピンクも、合わせ方でシックで上品に仕上がる。濃いボルドーや淡いピンクを組み合わせて、色調をつくっていきます。他にはライトグリーンも、見せ方で変わる色の1つ。単品では軽い感じがしますが、白の中にポイントで挿すと、とたんに瑞々しさを表現するんです。そしてこの春夏のキーカラーに考えているのはオレンジと紫。特にオレンジは今年のファッションカラーですから、注目です。

−意外な色が、とても「渋く」見えたりしますね。

ニコライ・バーグマン

そうです。そして最初の印象も重要です。ぱっと見て素敵とか、かわいい、とか美しいとか、何を感じてもらうか考えます。でもある意味、ここまでは普通(笑)。ニコライスタイルは、2回3回とじっと見たくなるのがマジックです。(大輪の花の間から飛び出した、小さなつぼみや実ものを指差して)、ほら、ここにこんな小さなアイディアが差し込まれているでしょう。これ何?って思うものを遊び心いっぱいに加えるんです。思わず見つめたくなる。

−代表作のボックスフラワーの誕生のいきさつは?

ニコライ・バーグマン

重ねて保存でき、持ち帰りやすいフラワーアレンジメントの大量注文の相談があり、箱を使うことを思いつきました。ロゴ入りの黒い紙箱が基本ですが、最近はグレーのベルベットでくるんだ限定ボックスや漆バージョンも発売しました。けれども、ただ箱に入れればというわけではなく、これも僕の世界感の濃縮です。色はオレンジにグリーンを効かせた個性的なコンビや、同系色のグラデーションなど。そしてぱっと見たあとに、もっと近くで見たくなる。ミニマムな世界に数種類の花が存在する、まるで絵画のようです。

シャングリ・ラ ホテル東京 エントランスに飾られたフラワーアレンジメント

−今月初めにオープンしたシャングリ・ラ ホテル東京全館のフラワーコーディネートを担当されました。大忙しだったのではないでしょうか?

ニコライ・バーグマン

香港ベースのホテルですから、メインの花材は「蘭」。驚かれるかもしれませんが、クラシックの重厚な雰囲気のあるインテリアに独自のカラートーンと今を映し出すモダンという、ニコライ流のスタイルでまとめあげています。花や葉、枝の色、かたち、そして器の大きさや色、質感。空間の雰囲気や使われている材料、ここまで考えて花は空間に溶け込みます。

−器まですべて用意されたのですよね。

ニコライ・バーグマン

日本からヨーロッパまで、自分で足を運んで器をセレクトして2,000点、4フィートコンテナで運びこみました。私の日本での活動が実を結んだ、大きな仕事でした。