Monthly INTERVIEW トップランナーに迫る

ニコライ・バーグマン、
北欧と和を融合するフラワーアーティスト。

花からプロダクトデザインへー暮らしをつなぐ

−集大成といえば、昨年、来日10年目を記念して、表参道ヒルズで開いた展覧会も大盛況でした。

ニコライ・バーグマン

私の10年間が集約されています。枝ものを多用して、まるでそこに室内空間があるかのような、世界をつくりあげました。スワンチェアやエッグチェアなどデンマークの椅子に紅葉や実ものをはりつけた展示も行いましたが、これは花の世界で重要視される「かたち」のコンセプトを名作椅子に重ねて、花で表現したものです。

−インテリアと暮らし、花の融合は得意とされる分野ですね。

ニコライ・バーグマン

花や植物のある空間は、住み方とつながっています。そんな思いをかたちにしたのが、東京ミッドタウンに出したライフスタイルショップ「SUMU」(スム)。母国デンマークの本当によいもの―家具、キッチンツール、食器、生活雑貨などをそろえています。花を生活の流れから提案しています。

−オリジナル商品もあるのですか?

ニコライ・バーグマン

「SUMU」のお店用というわけではないのですが、僕自身のデザイン商品というのは増えています。実はこの1、2年で花以外のデザインの仕事が増えているんです。ルキアの時計、エコーの靴、フライアイのメガネ…。

−メガネですか?

ニコライ・バーグマン

チタン素材を使って、ツルを枝のようにして、花や葉をつけて。かわいいですよ(笑)。

−なるほど、花を通して仕事のジャンルが深く広がっているのですね。フラワーデザインから工業デザインに向かった人は世界でも初めてではないでしょうか?

ニコライ・バーグマン

いまさまざまな仕事のチャンスを与えてもらっていますが、一番うれしいことは、ここまでくるのに「10年かかった、10年かけた」ということです。華やかなイメージで見られがちですが、花の世界は自然相手の厳しい仕事です。実力も自分の努力もないまま運だけで急上昇したのではなく、きちんとコツコツ「がまんしながら」力を積み上げてきた。経験と希望がきちんとかみあった。そんな自信が心の中にありますから、次の10年も広がってゆけると思います。今後は世界中に「ニコライ・バーグマン・フラワーズ&デザイン」のお店を出していきたい、そんな夢もふくらみます。

ニコライ・バーグマン  スム

文/本間美紀、撮影/根田拓也