Monthly INTERVIEW トップランナーに迫る

グエナエル・ニコラ、
桜舞う光をデザインする。

フレグランスのボトルから人気アパレルの店舗デザインに至るまで、数々の話題のデザインを手掛けるグエナエル・ニコラ。彼があやつるのは、光と時間―今回は、東京ミッドタウンにて開催中の桜のライトアップイベント「SAKURA STORY」について話を聞いた。

Rrofile

グエナエル・ニコラ

デザイナー。1966年フランス生まれ。パリのE.S.A.Gでインテリアデザインを、ロンドンのRCAでインダストリアルデザインを学ぶ。91年に来日後、フリーランスを経て、98年に自身のオフィス「キュリオシティ」を設立。インテリア、建築、コスメ、工業製品などジャンルの垣根を越えて活動し、近作には新宿の「ユニクロ」ストアがある。東京ミッドタウン内の桜をライトアップしたアートイベント「SAKURA STORY」が開催中。
キュリオシティ公式サイト
東京ミッドタウン公式サイト



国宝級の美を進化させる

−今回、東京ミッドタウンの春のイベント「Midtown Blossom 2009」でライトアップを手掛けられたそうですね。見どころは?

グエナエル・ニコラ

最初のミーティングで東京ミッドタウンを訪れたとき、桜が大きな弧を描いて並んでいるランドスケープ的なデザインに魅力を感じました。全体をとらえると、実にダイナミックで優雅。桜を愉しむというと、木を見上げながら歩くというのが通常ですが、今回はぜひ上階のレストランなどから大きく見渡してもらいたいですね。

−デザインするにあたり、一番気づかったのはどんな点でしょう。

グエナエル・ニコラ

まずは東京ミッドタウン全体の雰囲気ですね。とても近代的で、オブジェや敷地内のミュージアムなどアート的要素も多い。バッティングしてもいけないし、突出しすぎてもだめ。調和しながら存在感が際立つことにポイントを置きました。そしてもちろん、桜そのものが放つ美しさを尊重することです。本当は何も手を加えたくなかったくらいですから。

−確かに、今回ニコラさんがデザインされたものは、“ライトアップ”といってもとてもシックですよね。普通はカラフルで華やかなイメージですが……。

グエナエル・ニコラ

満開の桜はそれだけでパーフェクト! 日本のナショナル・トレジャーと呼ぶに相応しい風格がありますから、その美しさを“チェンジ”ではなく“進化”させることを考えました。アイデアは、初見でもう頭に。オフィスに戻ってすぐにラフコンテに起こしたものが、そのまま採用になりました。

−それが「SAKURA STORY」ですね。

グエナエル・ニコラ

今回使用したのは3000メートルの光ファイバーです。木の根本に敷き詰めることで満開の桜をライトアップし、また散って降り積もった花びらも表現。上から下へと光が移行していくプロセスにより、蕾がほころび、満開を迎え、そして風に舞い散りゆく一連の流れを、約3分間の光のストーリーに仕立てています。

−なるほど、だから先ほど「全体を上から眺めて」とおっしゃったんですね。