Monthly INTERVIEW トップランナーに迫る

グエナエル・ニコラ、
桜舞う光をデザインする。

クラフトマンシップへの尊敬がデザインの礎に

−多岐に渡ってさまざまな話題のデザインを手掛けていらっしゃいますよね。

グエナエル・ニコラ

デザインの対象がなんであろうと、基本は変わりません。大切なのは、“光”の捉え方。そのあたりの考え方は、日本に来て大きく影響を受けました。ヨーロッパは圧倒的に“影”のデザインなんです。建築物を見てもそうでしょう? レリーフなんかは凹凸がはっきりしていて、そのコントラストの強さに美しさを見出す。けれど日本は違うんですね。障子紙を通して見るろうそくのほのかな灯りなんかは、実にはかなげで透明感がある。フレグランスのボトルにしても、店舗の照明にしても、すべて日本で見て触れた感動が息づいていますし、使った人、訪れた人にも感動のあるようなデザインをしたいと思っています。

−作品を拝見して、どれもとても繊細な印象を受けました。

グエナエル・ニコラ

手の込んだ仕事に対する敬意や価値観の見出し方については、フランス人と日本人はとても近いものがあると思います。互いに歴史的背景に文化・芸術を色濃く持つからでしょうね。でもパリは、よくも悪くも時間が止まっている街だから。東京のほうが断然、機能的だし先進的。独自性のある新しいものも次々と世界に発信していますから、とても刺激を受けます。

−今回ライトアップに使った光ファイバーも日本ならではと呼べる技術のひとつですね。

グエナエル・ニコラ

クラフトマンシップという言葉は、伝統的な側面を持つものだけに限って使う必要はないと思うんです。電子部品や工業製品などに使われている精緻なテクノロジーの産物だって、立派な日本のクラフトマンシップ。器や工芸品の作家さんと同じように、光ファイバーの技術者の方にも大きな尊敬の念を抱いていますし、彼らの仕事には愛と情熱を感じます。今後もぜひ、コラボレーションしてみたいですね。